シーソーが揺れてる
「今日孝弘君のところに泊まるからよろしく」とのこと。
孝弘君と言うのは広美の恋人だ。二人は高校のクラスメイトで卒業後につきあい始めたそうだ。
「そっかー。分かった」
返事を打って携帯を閉じると、春香はあくび混じりにため息をついた。広美が帰って来ないと言うことは、家のことを全て自分がやらなければならないのだ。
「しょうがない」
起き抜けの低い声で呟くと、春香は重たい体をベッドから引きはがすように起き上がった。そして掛け布団をはねのけるととりあえずユニットバスに向かった。
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