シーソーが揺れてる
「じゃっ」
そう言って直人はベンチから立つとすたすたと走り去って行った。
その後ろ姿に、何か声をかけようとした春香だったが、言葉が出て来ずにただ直人が居なくなるのを見つめているばかりだった。
そよそよと吹く風に、いつの間にか読んでいた本が閉じられていた。
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