シーソーが揺れてる
「私、夢なんか持ってなかったの。ちっちゃいころからずっと。そもそも、夢って何なのよ。広美は夢持ってるんでしょ?」
「うんもちろん」
広美は自信たっぷりに胸を張った。
「広美は夢って何だと思う?」
春香はさり気なくも真剣に広美に問いかけた。
「うーん、・・・」
広美はしばらくの間考え込んでいた。夕方の渋滞でバスが長いアイドリングストップでエンジンを止めて停車している中、広美は言葉を探しながら答えた。
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