逃げる女

後悔

翌朝、目を覚まして起き上がる私に気付いて目を覚ました充。


しばらくぼーっと私を見ていたが、急にがばっと上半身を起こす。



『うわ…やばいって…』



布団の中を覗き、何も履いていない自分を確認して呟いた一言。



「充…」


声をかけた私にびくつく始末だし。




『み、美里…ごめんっ!!俺…酔ってて…』



「うん…。とりあえず服着たら?」



『お、おう。』



背中を向けて服を着始める充から目を逸らし、TVをつける。



けれど、内容なんて全然入ってこない。



『うわ…やばいって…』



さっきと同じ台詞を吐く充にだんだんといらついてきた。



振り向くとそこには、立ち尽くす充の姿。
目線はシーツに付いた赤い染みを見ている。



…初めてだったし…やっぱりな。




『俺…何してるんだ…美里は友達なのに…』



ぶつぶつ言う充の後頭部を思い切り殴った。



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