逃げる女
「そうと決まれば、学校行く支度しなくちゃ。今日の2講目、必修なんだよね。充もでしょ?」



『あ、ああ。』



まだ、いつもと少し様子の違う充に何故かイライラしてしまう。



「家帰らなくていいの?一緒に行く?」


そう尋ねた私に慌てて充はこう答えた。



『か、帰るよっ!じゃあまた後で…な…』


後で…
本当に“また”があるのかな。このまま充が私の目の前から姿を消すような気がしてならない。



私はそんな考えを打ち消すように、充が帰った部屋の後片付けをして、支度をしてから家を出た。



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