白雪姫と消しゴム


公園にはやっぱり誰もいなくて
小さなスズメが砂場をつついてた。

「そんなとこに餌はないわよ?」

スズメに対して
やさしい笑顔を向けるあたし。
あー、なんてメルヘンなんだろうね
白雪姫気取りだよ。
スズメはあたしになんか
気づいてないように
砂場をつつき続ける。

「あーはいはいすいませんね
どうぞご自由におつつきください」

あたしはそう言って
砂場の近くにある小さな
ベンチに座った。

ベンチの上には木がしげっていて
空がほんの少ししか見えない。
でもそんな空もきれいで
吸い込まれそうになった。


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