電子警察官AKI ~3日間の命~

○強敵

『博士、お知らせがあります』


「………………」


『博士、お知らせがあります』



アラームのように繰り返すその言葉に目が覚めて、私はのそりと起き上がるとAKIの元へ行った。



「今度は一体何だ…」


『今までと違うタイプのハッカーが現れました』


「……違うタイプ?」



私はキーボードを打った。

カーソルをとあるファイルに合わせて開く。



「………何と言うことだ…」



まさか、私のファイルが…何者かにハッキングされている。

おぞましい程のスピードで、一気に情報が盗まれていく。



「AKI、相手の情報は掴めないのか」


『特定出来ません。特殊なフィルターを通して情報をコピーしています』


「フィルターの破壊は不可能なのか?ウィルスの危険は」


『お答えします。フィルターの破壊は不可能です。電子回路が塞がれ潜入出来ません。ウィルスはLv.8、非常に凶悪なウィルスがコンピューターを蝕んでいます』


「クソッ…まさかこんな強敵が現れるとはな…」




私は舌打ちして襲われたファイルを削除した。

ウィルスの拡大を防がねばならない。


しかし…ここまで手強いハッカーは初めてだ…。

とても一般人がしたものとは思えない。




一体、誰が私のコンピューターを襲っている…。
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