電子警察官AKI ~3日間の命~

○故障

「…!! AKI、無事だったか!?」


『システムに異常をきたしましたので、ホームに戻って来ました』


「システム異常だと?ウィルスか?」


『情報にないウィルスです。おそらく新種のウィルスでしょう』


「…答えろ、AKI。お前は今、そのウィルスに侵されているのか?」




霞掛かったAKIに私は問いかけた。

この様子では答えは言うまでもなくYESだろう。



『お答えします』



AKIの辛そうな顔に、胸が痛んだ。




『電子回路にてウィルスに侵されました。博士に入力されたデータが、少しずつではありますが確実に壊されています』




………やられた、まさか奴の罠に掛かってしまうとは…。



…クソッ…しかし最悪だな、一番マズイ結果になった。


私は黙ってキーを打ち、侵されたデータを出来る限り消去した。



『博士、質問があります』


「黙れ、質問する事を却下する」


『了承しました』



今のお前は、未知の病を患った厄介な患者だ。

一々質問に答える暇などない。


私は黙々と消去の作業を進めた。
< 19 / 30 >

この作品をシェア

pagetop