永遠の約束(深青編-序章-)





そんな風に思うのが早いか遅いか、急激な突風が二人を襲う。


大也は足を踏ん張り手をかざしてなんとか、風の勢いをさえぎろうとした。


その時、手の隙間から巨大な黒い物体が空中を飛んでいるのが目に入ってくる。


大きさは車ほどでとにかく、黒い霧のようなもので覆われていて姿、形はわからない。


(今までだっていろんなものを見てきた。だが、これほど大きくてどんなものかわからないものは初めてだった。)


大也はいつの間にか手を下ろし、ただ、呆然としていた。


だが、黒い物体は大也が見ていることさえも気づかずにただ、上空を飛んでいる。


それは、救いだったかもしれない。


あんなものに気づかれ襲われでもしたら、ひとたまりもない。







「大也?」


心配そうにみゆきが声をかける。


その声に応えようと大也は突風の中で大きく息を吸う。


「大丈夫。すぐにおさまるから」
 


 (そうだ。いつものように無視していれば何も起こらない。何も………)


大也はぎゅっと目を閉じ、冷静を取り戻そうとした。







「世の秩序を乱すもの、光の導きにより、あるべき世界へと還れ! 封縛(ふうばく)!」










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