月夜の訪問者
「何だ?
俺から勉強教えて貰えるなんて、奇跡に近い事だぞ
何が不満だ?」

と、雅
不満な事なんて、山程あるわよ

「アンタ、仕事どうすんのよ?
自分も勉強中でしょ!」

「仕事なら、親父に頼めば何とかなるだろう
もう、勉強する事なんて無いしな
後は、結婚すれば後を取らせるそうだ。」

さらっと言う雅

成る程、で結婚を急いで私なんかを?

でも、回りには良い女沢山居るんだし

態々私じゃなきても…


コンコン
「雅様、友理様、お食事の仕度が整いました。」

「ああ今、行く」

大体、麗香みたいな美人を振ってまでどうして…

私の何処が麗香さんに勝ってるって言うの

雅の返答は『全部』だし

全部劣ってるの間違いじゃないかしら。

雅は何考えて…


「おい、友理、友理?」

名前を呼ばれ、ハッとする。

「夕飯、食べない気か?」

と、雅

「あっ、食べるわ
行きましょう」

と、先を歩く和泉に慌てて着いて行く。

「おかしな奴だな」

と、後ろで雅に呟かれた。

おかしいのはアンタの方よ


私は、チラッと雅にを見る。

本当に、何考えてんのか意味不明だわ
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