ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
私はイラッとしながら床に落ちたダーツを取りに行き、『スローライン』に渋々立つ。
「あんた、人の話聞かねぇだろ。それか記憶力が相当ないか、だな」
「はっ!?ちゃんと聞いてますけど!?」
「……その立ち方で投げる気か?ダーツでそんな立ち方、ねぇけど?」
「え?」
私は左足を前に、右足は後ろに引いた状態で立っていた。
ち、違ったっけ…?
だってほら、野球ってこういう立ち方でしょ?
右手を大きく振りかぶって投げたー!…みたいな。
その時、右足の太ももをパンッと軽く叩かれた。
「ぎゃっ!?」
予想外の出来事に、私は驚いて声を上げる。