スキミー・ストイック【短編】

 言いかけて口を噤んだ。

 …本当はどうして最近異常に忙しいのか、理由は明白だった。

 ただそれを会長に直接問い掛ける勇気がなくて、今まで黙々と仕事をこなしてきたけど。

 ……聞いて、みようか。

 探るような視線を会長に向けると、またしてもタイミング悪くばっちり目が合ってしまった。


「あ?」


 じろじろ見やがってなんか文句でもあんのかゴルァとでも言い出しそうな会長の目付きの悪さに冷や汗が流れる。

 …だって、おかしいじゃない。

 ここ2週間くらい、わたしと会長以外の役員が誰も仕事に来ないなんて。

 初めは皆なにかしら用事があって来れないのかと思ってたけど。

 生憎わたしと同じ学年の役員は他にいないため、今日まで一度も顔を合わせる機会がなかった。
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