この手、あの手。


「はよー」

眠たげな顔をした武志が入ってきた。


「えっ……」

私を見つけた武志は険しい顔になった。


「なんでアンタがいんの?」

“アンタ”……、もう“つーちゃん”って呼んでくれないの?


「私が家に上げたのよ。外でバッタリ会ったから。実乃梨ちゃん怪我してたもの」

「……帰れ」

武志は私の目の前へやってきた。


怖い……。


「帰れよ」

涙目になる。


「また泣くのか? 泣いて済むと思ってんのか?」

「違っ……!」

私は慌てて目を擦った。


「武志止めなさい」

「……だって……こいつが麗南を突き落としたから」

「実乃梨ちゃんが?」


武志はどういう事か説明し出した。



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