この手、あの手。


「私には実乃梨ちゃんがそんな事するようには思えないわ」

………!

初めて、私の味方をしてくれる人がいた。


「じゃあどうして麗南が落ちたんだよ」

「つまずいたりして落ちたんじゃないかしら。実乃梨ちゃんは、それを見て助けようとしたんじゃないの?」


嬉しくて嬉しくて、涙が溢れた。


「俺もう行くから」

武志は話の途中でリビングから出ていった。


「お弁当忘れてるわよ!」

「ちょっと待っててね」と、武志のお母さんは玄関へ向かった。




「はい、お弁当」

「サンキュ」

「……ねぇ、本当に実乃梨ちゃんが突き落としたと思ってるの?」

「……行ってきます」



バタン。





「つーちゃんごめん」



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