この手、あの手。


「あ…の……、私の机……知らない?」

勇気を出して読書している武志に話しかけた。


でも答えてはくれず、席を立って教室を去ってしまった。

それと同時に聖治が入ってきた。


勿論目が合う。

聖治は俯きながらこちらに歩いてきた。


「あのっ、聖」

「聖治ー、おっはよー!」

数名の男子が聖治を囲む。


「おはよ」

それは私には向けられなかった。


聖治のバカ。

見てみぬフリもいじめてる人と同じって中学の時に言ったじゃん。

中学の時はどんな事があっても助けてくれたじゃん。

なんで今は助けてくれないの。


弱虫。



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