この手、あの手。


騒がしい自分の教室に着いた。

男子の下品な会話が聞こえてくる。

田畑さんの声も男子に負けじと聞こえてきた。


みんなもう来てるのかな。

何か言われたらどうしよう。


ううん、頑張らなくちゃ。


私は拳を胸に当て、深く深呼吸してから教室に入った。


「お、おはようっ」

「………」

さっきまで騒がしかった教室が一気に静まる。


「あの、私は」

「何か聞こえた?」

「さぁ? 空耳じゃない」

「霊でもいるんじゃない、この教室」

「怖ーい!」

1人が喋ると再び騒がしくなる教室。


私は空気なわけね……。


仕方なく自分の席に向かった。


武志いる……、気まずいな……。

あ……れ……?


「ない……」


私の机がない。



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