気ままに生きる
 ピタゴラス・パーティーはイギリスでレコーディングすることになっていた。俺もパスポートなんかを取りに行った。イギリスまで行くのはちょっと引いたけど、本当に俺は引いちゃったんだよ。すいませんでしたって感じかな。つまり、キャンセルしちゃったってこと。

 今思えば、大輪さんには迷惑をかけた。その後大輪さんからは酒匂ミユキ(ハスキーな声が特徴の女性ボーカリスト、アルバム「MAN」「WOMAN」「HUMAN」の三部作を発表)って子のレコーディングなんかをやらしてもらったよ。ライブも何回かやったな。タワー・レコードでライブをやった時、TOKIEちゃん(ベーシスト、hitomiや林田健司などのサポートメンバーとして活躍、初期のRIZEやAJICOなどにも参加、現在のメインバンドはunkie)がベースで、ドラムがグリコだった。その後、ジョニーがドラムをやったこともある。

 この時のリハーサルも下北でやった。俺はベロベロで途中でふけちゃったよ。すいません。ライブでも5曲くらいしか演奏しなかったと思うよ。身勝手な自分が楽しかったです。

 ピタゴラス・パーティーは、俺は結局途中で辞めたんだ。石間さんの考え方にはついていけなかったんだ。

 それからだいぶ経って石間さんがフラワー・トラベリン・バンドを再結成して、JLCと一緒に野音で対バンした。音を聴いて石間さんはやっぱりフラワー・トラベリン・バンドが一番合っていると思った。かつて石間さんは昔のフラワー・トラベリン・バンドの曲は今さらやらないと言ってたけど、結局やってたよね。やっぱり良かったよね。がんこジジイ!

 あ、そうだ、こんなこともありました。“時さん”の一周忌の追悼ライブで石間さんと会って、その時に1曲セッションをすることになった。その時、コードのキーを“Am”とか言われたんだけど、俺が「Amってなに?」って言ったら、石間さんは「もうなんでもいいよ」って言っていた。その会話をCharが聞いてて「ウケた」って後から聞いたよ。

 尊敬しているがんこジジイ、石間さん。
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