気ままに生きる
 スピード・グルーでやるのは好きだったな。ジョーイさんの歌とドラムが好きだったから、何も考えずただ自由に弾くのが楽しかったんだ。

 ジョーイさんのドラムの音はかなりでかくて、本気で叩くとドラムを止めるのがたいへんだった。重りをつけておかないとどんどん前へズレていっちゃうんだ。パワーが違うよね。当時の録音技術じゃ今みたく壁も立てなかったし、ドラムの音は再現できなかったけど、本当はもっとパワフルだったよ。

 この頃はいつもラリっていたはずなんだけど意外に覚えているのが怖いね。

 そういえば、スピード・グルーも辞めて仕事もなくなっちゃった時、譲ちゃん(柳ジョージ)からアルバイトやらないかって連絡があった。「マー坊は何もしなくていいから来なよ」って。一軒家の建築現場で、当時は住宅ブームで一軒家を作っているところがいっぱいあったんだ。朝迎えに来てくれて、一緒に現場に行ったよ。自分はほとんどタバコを吸ってぼおっとしてたんだけど、譲ちゃんはまじめにタイル貼りとかしていたね。
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