: 過去
***
………それにしても遅かった
「碧…」
ぽつりと静かにこだまする自分の声
でも、何度呼ぼうと碧が戻っては来なかった
膳を片付けにいった、などと呑気に考えていたがどうもそうではないらしい
―――様子を見に行こう
そう思い立ち上がったときだった
「…新撰組一番組組長…沖田総司だな?」
カチャリ、と背後で音がする
「これはまた……あなたは上手く忍び込んだつもり、でしょうけど下手ですよ」
寝床に置いていた自分の刀…菊一文字を手にした
久方ぶりに手にした刀は、以前に比べてずしりと重い
――情けない…
自嘲して僕は鞘から刀を抜く
きらりと夜に眩しいその光は、僕にとっては目をつぶりたくなるほどだ
「……動かぬ体でよくぞ戦おうと思えたものだな」
ふん、と鼻で笑われた
まるで僕よりも己が上だと見せつけるように…
「そんなこと誰が分かるんですか?」
「己が労咳とあらば、そう思わざるを得ないだろう…」
――っ!!
次の瞬間
僕は空を斬った
でもそれは…振るうには相容れないほど、苦しかった
………それにしても遅かった
「碧…」
ぽつりと静かにこだまする自分の声
でも、何度呼ぼうと碧が戻っては来なかった
膳を片付けにいった、などと呑気に考えていたがどうもそうではないらしい
―――様子を見に行こう
そう思い立ち上がったときだった
「…新撰組一番組組長…沖田総司だな?」
カチャリ、と背後で音がする
「これはまた……あなたは上手く忍び込んだつもり、でしょうけど下手ですよ」
寝床に置いていた自分の刀…菊一文字を手にした
久方ぶりに手にした刀は、以前に比べてずしりと重い
――情けない…
自嘲して僕は鞘から刀を抜く
きらりと夜に眩しいその光は、僕にとっては目をつぶりたくなるほどだ
「……動かぬ体でよくぞ戦おうと思えたものだな」
ふん、と鼻で笑われた
まるで僕よりも己が上だと見せつけるように…
「そんなこと誰が分かるんですか?」
「己が労咳とあらば、そう思わざるを得ないだろう…」
――っ!!
次の瞬間
僕は空を斬った
でもそれは…振るうには相容れないほど、苦しかった