: 過去
***

その頃


沖田は馬で道を駆けていた


調子よく響く馬の爪のおと


止まることなく進んでいた


でも…


「ゴホッ…ケホッ……ゴホゴホッ!!」


不意に胸に不快感を感じる


そのまま釣られるようにして咳が込み上げてきた


……最近、いや池田屋事件後から体の不調が続いている


繰り返すようにして込み上げる咳、体の怠さ


そして最近では、


「ゴフッ!!」


手のひらに広がる鮮血……


吐血をするようになってしまった


――先はもう長くはない


そう感じるほどだ


沖田はそのまま、馬で駆ける

***

しばらく駆け、宿場へとたどり着いた


ここら辺では有名な宿場町


きっと山南の体力からして、いるであろう場所


「……山南さん」


そう小さく呟くと沖田は馬から降り、一軒一軒探しまわることにした


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