始末屋 妖幻堂
「ああそうそう。先に聞いておくか。佐吉の父親を殺ったのも、あんたらだな? 何でだい? 佐吉と関わりのある奴全てを殺るつもりだったのか?」

「あれは事故だ。こういう稼業の人間は、血の気の多い奴が多くてね。すぐに刃物を振り回すから、ああいったことは珍しくない。親父さんには気の毒なことをしたが、兄貴にゃ手ぇ出してないぜ」

 大方取引の場所に現れない佐吉に業を煮やして、家に乗り込んだのだろう。
 頭の男がそれなりに佐吉と親しくなってから、こういう話を振ってきたのだったら、家の経済状態や村での扱いについても話していておかしくない。

 そういうもの全てに不満を持って、麓で遊び回っていたのだ。
 そこで親しくなった相手には、そういった不満を語っているものだ。

 佐吉の家は、一目でそれとわかるほどに貧しい小屋だ。
 尾鳴村に初めて入った者でも、すぐにわかるだろう。

「知りたいことは、それだけか?」

 大男が、にやにやと笑いながら、ばきばきと指を鳴らす。
 どうやら頭の男から、攻撃許可が下りたらしい。

「何でも教えてくれんのかい。優しいねぇ」

「冥土の土産にな。優しいだろ?」

「そんじゃあ、答えてもらおうか。何で小菊を執拗に追う? 裏要員っても、まだ実際にゃ見世出し前だろ? まだ何も知らねぇんじゃないのかい?」

 ゆっくりと間合いを詰める大男から逃れるように、千之助もゆっくりと動く。
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