執着王子と聖なる姫
こんな時、晴人やメーシーならばどうするか。
言うまでもなく、押して、押して、押しまくる。そうして相手が音を上げるまで押して続け、結果的に上位に立つ。そんな、種類は違えどサディスト全開の大人二人。
いくら大人っぽくともまだまだ青い愛斗には、その手段は思い付かなかった。
「俺ね、お前苦手」
「知ってマース」
「わかってやってんの?ヤな女だねー」
引いてもダメ、押してもダメ、素直に言ってもダメ。
撃ち弾を完全に撃ち切った愛斗には、もう成す術が無い。
「何が望み?steadyいるからそうゆうのは無理だよ」
「そんなこと望んでない」
アッサリと否定され、言ってしまった愛斗の方が気恥ずかしい。どうも調子が…と、レベッカの瞳の奥に見える楽しげな色に愛斗は大きなため息をつく。
そして、どこかで見た顔だ…と、目を細めながら思案した。
「マナとfriendになりたい。よろしくね、マナ」
あぁ…家に居るわ、こうゆう人。
あの人だ。
楽しげに笑い声を上げるレベッカをと自分そっくりのメーシーの顔が重なり、愛斗は更に憂鬱になった。
何もメーシーとレベッカの顔が似ているわけではない。そんなことがあっては困る。佐野家の…主にマリーの一大事だ。
そうではなくて。
何を考えているのか掴めないところや、自分の言動に戸惑っている相手を見て楽しそうにしているところ、空気を読んだ上でわざと読めないフリをするところ…などなど、酷似している箇所が多過ぎて、愛斗は聖奈の傍にしか安息の地が無いことを改めて痛感せざるを得なかった。
「俺より上手のサディスト、初めて会うんだけど。いや、家に一人居るけどな」
「楽しそう!紹介してくだサーイ」
「ヤだよ。俺の父親だから」
関わりたくないと思うのに、心はもうレベッカを許していて。聖奈に感じるものとはまた違った「安心」に、愛斗は戸惑い過ぎてもうわけがわからない。
「俺、steadyいるからな」
「知ってマース」
「友達、だからな。それ以上は絶対望むなよ」
「of course」
レベッカに言い聞かせると言うよりも、自分自身に言い聞かせる。
それに気付いたレベッカは、また楽しげに笑い声を上げた。
言うまでもなく、押して、押して、押しまくる。そうして相手が音を上げるまで押して続け、結果的に上位に立つ。そんな、種類は違えどサディスト全開の大人二人。
いくら大人っぽくともまだまだ青い愛斗には、その手段は思い付かなかった。
「俺ね、お前苦手」
「知ってマース」
「わかってやってんの?ヤな女だねー」
引いてもダメ、押してもダメ、素直に言ってもダメ。
撃ち弾を完全に撃ち切った愛斗には、もう成す術が無い。
「何が望み?steadyいるからそうゆうのは無理だよ」
「そんなこと望んでない」
アッサリと否定され、言ってしまった愛斗の方が気恥ずかしい。どうも調子が…と、レベッカの瞳の奥に見える楽しげな色に愛斗は大きなため息をつく。
そして、どこかで見た顔だ…と、目を細めながら思案した。
「マナとfriendになりたい。よろしくね、マナ」
あぁ…家に居るわ、こうゆう人。
あの人だ。
楽しげに笑い声を上げるレベッカをと自分そっくりのメーシーの顔が重なり、愛斗は更に憂鬱になった。
何もメーシーとレベッカの顔が似ているわけではない。そんなことがあっては困る。佐野家の…主にマリーの一大事だ。
そうではなくて。
何を考えているのか掴めないところや、自分の言動に戸惑っている相手を見て楽しそうにしているところ、空気を読んだ上でわざと読めないフリをするところ…などなど、酷似している箇所が多過ぎて、愛斗は聖奈の傍にしか安息の地が無いことを改めて痛感せざるを得なかった。
「俺より上手のサディスト、初めて会うんだけど。いや、家に一人居るけどな」
「楽しそう!紹介してくだサーイ」
「ヤだよ。俺の父親だから」
関わりたくないと思うのに、心はもうレベッカを許していて。聖奈に感じるものとはまた違った「安心」に、愛斗は戸惑い過ぎてもうわけがわからない。
「俺、steadyいるからな」
「知ってマース」
「友達、だからな。それ以上は絶対望むなよ」
「of course」
レベッカに言い聞かせると言うよりも、自分自身に言い聞かせる。
それに気付いたレベッカは、また楽しげに笑い声を上げた。