COLORS~Clear~
お茶の稽古を純粋にお願いしたい気持ちは、もちろんあった。

郁サンのお母様のこともあるから。

ただ、それだけじゃない。
この厄介でお節介とも言える気持ちがあるからこそ、決めかねてしまって…。
食事中も、つい考え込んでしまっていた。

さすがの私も。
ここまで決められずにいるのは初めてに等しくて。
少し、そんな自分に戸惑いを覚える。

そこまで、


―慎重になること?


考え込む程のことなのかって。


「どうしたの、お姉ちゃん?」
「…えっ?」
「ごはん。減ってないよ」
「あ、うん…」


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