COLORS~Clear~
何が、と聞かれれば、答えられないけど。

何か。
どこかが…。

きっと、もっと落ち着いて。
突き詰めて考えれば、わかるような気もしたけれど。


~♪~♪~♪~♪


着信音が鳴って。
私の思考回路は、中断される。

…霧島クン、からだった。


「もしもし。涼佑クン?」
『あ、はい。いま大丈夫ですか?』


大丈夫、とは、何となく、言い難かったけど。


「えぇ。どうかした?」


私は、いつもの口調で答える。


『茶室に手帳が落ちてて。さっき、スケジュールをチェックしてた手帳だと思うんですけど』
「えっ?ほんと!?」
『ないと困るんじゃないかと思って…』


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