COLORS～Clear～

赤信号。
カバンを見ると、確かに手帳は見当たらなくて。


「そうね。今まだ近いから、取りに戻ってもいいかしら？」
『あ、はい。大丈夫です』


色々と。
細かいことまで書き込んである手帳。


「ごめんなさい。じゃあ、取りに行くわね」
『はい。わかりました』


TELを切って。
私は車をUターンさせた。

見られて困ることは書いてはいないけど。
あの手帳がないと、仕事に支障が出ることもあるから。

今、霧島ｸﾝの元へ戻るのは。
何となく、気が進まなかったけど…。