COLORS~Clear~

私はどこまでも。
完璧だと思われてるらしい。


「意外と。思われてる程、完璧でもないのよ」


答えながら。
てれ笑いに近い。
苦笑いがこぼれる。

そんな私を。


「…完璧扱いされるのも。けっこう大変ですか?」


“また”、霧島クンは、まっすぐみつめて。


「えっ?」
「あ、すいません…」


そう。
あの、まっすぐな視線…。

「…ううん。そうね。私がそう思われてるせいで。沙奈にも嫌な思い、させちゃってるみたいだし…」


思わず。
ホンネが口をつく。


「透子さん…」





< 227 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop