COLORS~Clear~
「ありがとう。ほんと、ごめんなさい」
「いいえ。これ、そうですよね?」


霧島クンが、早い段階で気づいてくれたおかげで、だいぶ早く戻れて。

…ちょっと、急ぎもしたけど。


「えぇ。そう。スケジュールは全部、パソコンに入ってるんだけど。私って、アナログなのね。この手帳がないと落ち着かなくて」


そんな私は、意外だったらしい。


「透子さんでも。こういう事、あるんですね」
「えっ?」
「忘れ物とか」


霧島クンの目尻が下がって、口角が少し上がる。

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