COLORS~Clear~
「涼佑クン。それって…」


沈黙をやぶる。


「あっ…、妙な言い方、でしたね。ずっと、僕の元で稽古を続けてほしいって言いたくて…」


そこに。
コドモっぽい、苦笑いを見せる霧島クン。


「ほんと。できるといいわね」


私も。
大人の顔で答える。


「…そうですね…」


それに、気づかないふりをして…。


「でも…」
「ん?」
「今のは、ホンネです」
「…えっ?」
「透子さんが見ててくれたら。いい茶道家になれそうな気がするから」
「…涼佑クン…」


< 252 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop