甘い誓いのくちづけを
「ポルシェ!?」


高級車に縁も興味も無いあたしでも、それがどれだけすごい物かという事くらいは何となくわかる。


「のっ……!乗れません!」


「え?」


咄嗟に首を横に振ると、理人さんが不思議そうな顔をした。


「どうしたの?」


「こんな高級車、乗れません!汚したりしたら大変だし、あたしは先祖代々生粋の庶民なので!」


パニックで、自分が何を言っているのかも理解出来ないけど…


こんな大それた車に乗るなんて、やっぱりどうしたって考えられない。


世の中には高級車に憧れる人も決して少なくは無いだろうけど、あたしには自分の手が届かないような物に乗る勇気は無いから…。


ただその一心で、首をブンブンと振り続けた。


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