甘い誓いのくちづけを
不可抗力に脳裏を過ぎったのは、理人さんに抱き締められる場面(シーン)を想像した時の事…。


「……っ!」


背中に感じる、男性の胸元。


あの時から何度も想像してしまっていた、甘やかな情景(シーン)。


それらが一瞬で頭の中を占領して、腰が抜けてしまいそうになった。


初恋の時も、その後に何度か経験して来た恋の時も、こんなにも緊張した事は無い。


もちろん、文博との時だって…。


「ほら、もう大丈夫だから行こう」


意図せずなのか、またもや耳元で落とされた言葉に体がビクリと跳ね上がる。


理人さんは一瞬だけ目を見開いた後でクスリと笑って、パニックで硬直していたあたしの手を優しく引きながら助手席側に回った。


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