甘い誓いのくちづけを
「うわ〜、父親みたいだな……」


「煩い」


「そんなに独占欲剥き出しにしてると、嫌われるぞ。瑠花ちゃんだって、こんな独占欲の塊みたいな男なんて嫌だよね?」


「えっ?あたし……?」


「……いい加減、席に案内しろよ」


戸惑うあたしを庇うように、理人さんがため息をついた。


「はいはい」


突然話を振られたから、何も答えられなかったけど…


英二さんの言葉に反応した心に、甘やかなくすぐったさが込み上げて来る。


独占欲……?


理人さんはきっと、深い意味も無くあたしを庇ってくれただけ。


それは、ちゃんとわかっているつもりなのに…


“独占欲”なんて言われた事を、あたしはどこか心地好く思っていた。


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