甘い誓いのくちづけを
「ところで、一人?」


「はい。ついさっきまでは、友達と一緒だったんですけど」


すぐそこのカフェでランチをしていた事を話すと、英二さんがフワリと微笑んだ。


「じゃあ、これから理人と会うんだ?」


「え?」


「あれ?違うの?」


「はい」


そんな事を訊かれた理由はわからないながらも頷くと、英二さんが笑顔のまま首を傾げた。


「でも、明日は一緒に過ごすんでしょ?」


「え?どうしてですか?」


あたしがキョトンとすると、英二さんは顔に怪訝さを浮かべながら笑った。


「いや、明日は理人の誕生日でしょ」


続けて「彼女なんだから一緒に過ごすよね?」と訊いた彼に、あたしはパチパチと瞬きを繰り返した。


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