甘い誓いのくちづけを
英二さんの言葉は、もっともだと思った。


こんな風に訊くのは探りを入れているのと変わらないし、もしかしたら後で理人さんの気を悪くさせてしまうかもしれない。


彼の事をどんなに知りたいと思っていても、それだけは絶対に嫌だから…。


「……そうします。すみません、変な事を訊いてしまって」


「ううん」


頭を下げたあたしに、英二さんは眉を寄せて小さく笑った。


「俺の方こそ、変な事言ってごめんね」


「いえ」


「でもさ、あいつは瑠花ちゃんに誕生日を祝って貰えたら喜ぶと思うから、もしよかったらメールくらいしてあげて」


「もちろんです」


あたしが満面の笑みを見せると、英二さんは瞳を緩めて柔らかい笑みを浮かべた。


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