甘い誓いのくちづけを
緊迫感すら感じる中、小さく零されたため息。


「ここに来る前に何度も電話したけど、繋がらなかった……」


「あ……」


理人さんの言葉で、携帯の充電が切れていた事を思い出す。


実家に充電器を持って行くのを忘れてしまい、未だにガラケーを使っている両親の充電器は使えなくて、仕方なく昨日の夕方に実家の近所にある携帯ショップで充電をして貰ったけど…


運悪く、帰りの新幹線の中で電池が切れてしまったのだ。


「今日は、何があっても絶対に会いたかったんだ。どんな事があっても、瑠花ちゃんと一緒に過ごしたかった。だから……」


理人さんはそこまで言うと、どこか悪戯っぽく笑った。


「君の心を手に入れる為に、君を攫いに来た」


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