甘い誓いのくちづけを
「ダメ。言っただろ?君を攫いに来た、って」


「で、でも、そんな急に……」


視線を泳がせて戸惑うあたしの耳元に、理人さんが困ったように微笑みながら唇を寄せた。


「今夜はどうしても、瑠花と過ごしたいんだ」


「……っ!」


ずるい……


ずるい、ずるい、ずるいっ……!


そんなに低く甘い声で囁かれてしまったら、首を横に振る事なんて出来る訳が無いのに…


「……ダメ?」


さっきと同じ言葉に疑問符を付けて首を傾げる理人さんは、この上無くずるい男性(ヒト)だって思う。


あたしを見つめる真っ直ぐな瞳に囚われて、心も体も動けなくなっていく。


例えどんな手を使ったとしても、きっと理人さんには敵わないと思った。


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