甘い誓いのくちづけを
「じゃあ、行こうか」


「え?あの、どこに……?」


さっきまでの雰囲気を打ち破るような突然の提案にキョトンとすると、理人さんがニッコリと微笑んだ。


「俺の家」


「へっ……?」


あたしの質問に爽やかな笑顔で答えた理人さんが、あっという間にエンジンを掛けた。


“俺の家”……?


「えっ、え……?それって……!?……あ、あのっ、ちょっと待って下さい!」


たった今、想いが通じ合った事を確認出来たとは言え、あまりにも急過ぎる展開に全く付いていけない。


とにかく待って貰おうと、咄嗟に理人さんの腕に手を伸ばした。


だけど…


理人さんは、そんなあたしの気持ちなんてまるで関係無いとでも言うように、それはそれは綺麗な笑みを浮かべた。


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