甘い誓いのくちづけを
あちこちに小さなアクアリウムが設置された店内は、海中を思わせるような造りになっている。


カラフルな熱帯魚達、落ち着いた照明、綺麗な石が埋め込まれた大理石の床。


それらに囲まれた世界はとても幻想的で、つい今の状況を忘れて見惚れてしまう。


ぼんやりとしながら歩いていると、いつの間にか一番奥のソファー席の前に案内されていた。


「ルカちゃん」


「あっ、はい……」


「どうぞ」


店内の風景に見入っていたあたしに向けられたのは、どこか満足そうな笑顔。


あたしは、自分よりも随分と背が高い男性(カレ)に頭をペコリと下げてから、ソファーの奥側に腰掛けた。


続けて彼が座ると、高級感のある漆黒のレザーソファーが二人の体重の分だけ沈んだ。


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