甘い誓いのくちづけを
激しさを増す雨の中、その音を強調させるような沈黙が訪れる。


久しぶりに理人さんに会えるのが楽しみで、今日はいつもに増して仕事を頑張った。


それでも、ふとした瞬間に彼の事を考えてしまって…


会ったら何を話そうかと、ずっとウキウキしながら過ごしていた。


だから、心がもっと弾んでもいいはず。


それなのに…


本能が気まずさを感じて、何となく口を開く事を躊躇う。


そんな気持ちを押し退けて顔を上げた時、理人さんと視線がぶつかった。


相変わらず綺麗な瞳に、胸の奥がキュンと締め付けられる。


だけど…


「……とりあえず行こうか」


今日は何故か、その瞳がいつものように柔らかく緩められる事は無かった――…。


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