甘い誓いのくちづけを
「……その顔、そそるね」


理人さんを見つめていると、額にキスが落とされた。


「瑠花を、1秒だって離したくなくなるよ」


切なげな彼の表情に、胸の奥が甘く軋む。


「だったら……離さないで……」


震える声で呟くと、理人さんが目を見開いた。


「あたしだって……1秒も離れていたくないです……」


だって……


あたしはまだ、理人さんの事をほとんど知らないから……


「だから……絶対に離さないで……」


か細い声で懇願するように告げると、悩ましげな微笑みが返された。


「さっき言った事、もう忘れたの?」


「きゃっ……!」


理人さんは言い終わるよりも早くあたしを抱き上げ、ベッドルームに入った。


< 327 / 600 >

この作品をシェア

pagetop