甘い誓いのくちづけを
「どうして?」


理由をわかっているくせに楽しげな声で訊く理人さんは、やっぱりとてつもなく意地悪だと思う。


ただただ恥ずかしくて、唇をキュッと噛み締めながら俯いたままでいると、彼が空いた手であたしの顎を掴んで顔を上げさせた。


いつものように柔らかく緩められた瞳の奥には、いつもとは違う情欲の光が宿っている。


まるで標本にされた蝶ような自分(アタシ)をガラスに縫い止めているのは、雄の本能を孕んだ視線を向ける理人さんの手。


「こんなに綺麗なんだから、隠す事なんてないよ」


「でも、他の男には隠してね」なんて甘い囁きが、耳元で付け足された瞬間…


「ぁ……っ……!」


そこから下半身に向かって、ゾクリとした感覚が走り抜けた。


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