甘い誓いのくちづけを
「俺達、結構長い付き合いでね……。俺を含めて、そういう感情は一切ないから」


英二さんも間宮さんの事を知っていて、だからこその言葉なのだろうけど…


「本当だよ」


そんな風に断言出来てしまうのが不思議で、納得は出来なかった。


「……納得出来ない、って顔だね。まぁ、そりゃそうだよね」


苦笑する英二さんは、どこかバツが悪そうにも見える。


「実は、俺の実家は茶道の家元なんだ」


「え?」


「まぁ、俺は自由奔放に生きたくて後は継がなかったんだけど、高校までは理人と間宮と同じ学校だったんだよ」


突然過ぎる、と言うよりは脈絡が無いように思える話。


それに戸惑いながらも、英二さんが点ててくれたお茶がとても美味しかった事を思い出した。


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