甘い誓いのくちづけを
「こんな言い方じゃ、納得出来ないかもしれないけど……。純粋に友達なんだよ、俺達」


英二さんの話を鵜呑みに出来る程、あたしの不安は小さくは無いけど…


これに納得しない事には先に進まない気がして、一先ず頷いて見せる。


すると、英二さんはあたしの気持ちを察するように微笑みながらも、話を進めた。


「間宮はともかく、俺と理人はちょっと荒れてた時期があってね……」


「荒れてた……?」


「俺の場合は、異常に厳しいばあさんに嫌気が差して、勝手に大学に進学するのをやめて家を出た、ってだけなんだけどさ」


あっけらかんと言った英二さんは、ほんの少しだけバツが悪そうに笑ってからコーヒーを一口飲んだ。


「理人の方は、結構深刻な状態だったんだ……」


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