甘い誓いのくちづけを
「言葉を濁してばかりで申し訳ないけど……。瑠花ちゃんが理人に出会った時、理人の方はもう君を知っていたって事なんだよ」


フワリと、柔らかい笑みが向けられる。


「ここまではわかるかな?」


ちゃんと納得出来ているのかどうかは別として、とりあえず英二さんの言葉を飲み込まない事には話が進められないみたい。


「とりあえずは……」


「細かい事は理人に訊くといいよ」


戸惑いながらも頷くと、英二さんが優しく笑ってそんな事を言ったけど…


あたしと理人さんの今の状況を知っているらしい彼なら、それが安易では無い事はわかっているはず…。


それなのに、さっきから理人さんと話すように仄めかす英二さんに、あたしは何も言えなかった。


< 420 / 600 >

この作品をシェア

pagetop