甘い誓いのくちづけを
「そんなあたしが、簡単に答えちゃいけないような気がして……」


「じゃあ、質問を変えるわ」


小さく答えると、理事長は笑顔で頷きながらもそんな事を言った。


今度はどんな質問が飛んで来るのだろうと、無意識のうちに身構えてしまう。


「血の繋がりのない他人は愛せないと思う?」


「そんな事ないっ……!」


やっぱり何か深刻さを秘めた内容に驚きながらも、咄嗟に否定して首をブンブンと横に振っていた。


「あたしが考える“愛”は、先生から見れば子どもだって思われるかもしれません……。でもっ……他人を愛する事が出来なければ、恋人や夫婦の間には愛がないって事になります……。だから……」


よくわからないけど、理事長の言葉が何だかとても悲しく思えて、ただただ必死に言葉を紡いだ。


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