甘い誓いのくちづけを

「元気にしてたか？……って、俺が訊くのも変だよな」


自嘲気味な笑みを落とした文博に、曖昧な微苦笑を返す。


程なくして、真剣な表情をした彼が頭を下げた。


「あの時は本当に悪かった」


「え……？」


突然の謝罪にどうすればいいのかわからなくて、平静を装いながらも心の中では狼狽えてしまう。


そんなあたしを余所に、文博が息を小さく吐いた。


「今更って思うだろうけど、本当はずっと後悔してたんだ。あんな形で別れた事を……」


「文博……」


「あの時の俺は、ちゃんとお前と向き合ってなかったと思う……。だから、浮気なんかしたんだろうな……」


自分の罪をはっきりと口にした文博は、何かを決意しているようにも見えた。