甘い誓いのくちづけを
突然の告白に、頭の中を上手く整理出来ない。


「浮気相手に本気になったのは嘘だった、って事……?」


ようやくまともな言葉を紡いだあたしに、文博がゆっくりと頷いた。


「……もっと言えば、相手は俺に婚約者がいる事は知らなかったし、そもそも元々お互いに遊びのつもりだったんだ。だから、俺とそいつが付き合うなんて最初から有り得なかった」


彼が口にする言葉達に、ただただ驚かされてしまう。


あたしは、文博の何を見て来たのだろう…。


そして…


「瑠花の気持ちを推(オ)し量(ハカ)る事が出来ない事に苛立って、結婚前にお前の気持ちを確かめようとして……。その結果があの日だった……」


文博は、あたしの何を見て来たのだろう…。


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