甘い誓いのくちづけを

「瑠花がそんな顔をする事はないよ。俺は平気だから」


「ごめんなさい……」


優しく笑って言った理人さんは、あたしの謝罪を聞いて苦笑を零した。


「今日はやめておく？」


そんな風に訊いたのは、きっと形だけ。


あたしが首を横に振ると、理人さんがフワリと微笑んだ。


「最後までちゃんと聞きます」


彼はあたしの気持ちを察するように頷いて、真剣な表情を見せた。


「生後１ヶ月にも満たなかった俺を引き取ってくれたのが、貴島の両親だよ。両親は、貴島の両親と青空園の理事長と友人だったらしくて、貴島の両親のたっての希望で俺は貴島の養子になったんだ」


あたしは戸惑いを隠せないまま、理人さんの口から紡がれる言葉を必死に理解しようと頭の中を整理していった。