甘い誓いのくちづけを

理人さんはいつも、あたしには勿体ないくらいの言葉を惜しみない程に与えてくれる。


自分自身にそんな価値があるなんて、ちっとも思えないのに…


心をくすぐる柔らかな嬉しさを隠せなくて、自然と口元が綻んでいた。


「青空園に行ったあの日に出会ったのが瑠花じゃなかったら、間違いなく今の自分(ｵﾚ)はいなかった。不器用な性格にうんざりする事もあるけど……それでも結構好きなんだ、今の自分が」


理人さんがそんな風に言える、今の彼を作った過去のほんの一部にでも自分(ｱﾀｼ)が存在していた事に、言葉には出来ない程の喜びを感じる。


「あたしはすごく好きですよ、今の理人さん」


その気持ちを込めてフワリと微笑めば、理人さんがとても幸せそうな笑みを見せた。