甘い誓いのくちづけを
『瑠花のその気持ちで笑顔になってる子は、きっとたくさんいるよ』


いつか理人さんが言ってくれた言葉は、ずっと前から彼自身が感じてくれていた事だったのかもしれない。


それを示すような笑顔に、心がじんわりと温かくなる。


だけど…


あたしは体を離してから首を横に振って、理人さんを見上げた。


「あたしは何もしてませんよ……」


「そんな事ないよ。あの日……もし瑠花に出会わなければ、俺は今もずっと両親とすれ違ったままだったかもしれないんだから」


それも否定しようとしたけど、柔らかい笑みを浮かべた理人さんに制されてしまう。


「瑠花がどう言おうと、俺の心を救ってくれたのは他の誰でもない、瑠花なんだよ」


彼はやっぱり優しい声音で、そんな言葉をくれた。


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