甘い誓いのくちづけを
結局、朝食は1時間後に運んで貰う事にして、チェックアウトの時間を確認してから電話を切った。


改めて部屋を物色してみると、カーテンや壁に掛けられた時計等のインテリアから高級感が漂っていて、尻込みしてしまいそうになる。


最初に室内を見渡した時から感じていた事だけど、この部屋はどう見ても一般人が泊まるには広過ぎて、この場にいるだけで落ち着かない。


それでも、とりあえずシャワーを浴びる事にしてバスルームに行けば、今度は数人は入れそうな大きな浴槽を前にポカンとしてしまった。


こんな部屋を見た経験と言えば、いくら記憶を辿ってもテレビの中くらいで…


「この部屋、一体いくらするの……?あたしのカードの限度額、越えるんじゃ……」


さすがに不安が芽生え、思わずそれを口にしていた。


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